先日、とある団体職員さま向けに「働き方と法改正」に関する研修をさせていただきました。
令和7年の税制改正と、6月に決まった年金制度改正の中から、働き方と家計への影響に関する解説とシミュレーションのご紹介でした。
研修後は、働き方に関するアンケートにご回答いただきました。
そこでとても興味深い発見がありました。
研修後のアンケート結果は・・
研修をさせていただいた参加者は約50名。
正社員とパートが半分ずつくらい。
年齢は20代から60代ですが、ボリュームゾーンは40~50代。
8割くらいの方が既婚でした。
Q.希望する働き方は?
希望する働き方は?という問いに対して
20~30代はほぼ「正社員」希望。
40代は「正社員」と「扶養内」が半々。
50代以降はほぼ「扶養内」。
といった結果でした。
扶養内については「所得税」または「社会保険」の扶養に分けてお尋ねしましたが、扶養を希望する方の多くは「社会保険の扶養」でした。
Q.制度改正後の働き方は?
週20時間の壁や遺族年金の改正といった年金制度改正が施行された場合の働き方はどうしますか?という問いに対して
20~30代は、すでに正社員となっている方が多数のため、引き続き正社員。
40代は「扶養を外れて働き方を増やしていきたい」という回答が多数。
50代は「扶養内をキープ」という回答がほとんどでした。
扶養内の働き方を希望するのは50代!
年代別にこんなにくっきりと結果が分かれるとは、かなりオドロキでした。
50代にもなるとお子さんが社会人になるご家庭も多くなり、教育費のために必死に働かなくてもいいのかもしれません。
また、ご主人も50代となるとそれなりの職位もあり、年収も多くもらっているので生活に余裕があるのかもしれません。
2022年「106万円の壁」の要件が100人超事業所に変更される時も、この「働き方と法改正」に関する研修させていただきました。
その時は30代の方も「扶養内で働きたい」とおっしゃる方がほとんどでした。
3年経ち、同じような研修をしたところ、30代の方は扶養なんて気にしないで働いていることに衝撃を受けました。
正社員で働く女性の割合は・・
日本国内の傾向はどうなっているのか気になったので、総務省のデータから、正規雇用で働く女性の比率を調べてみました。(いわゆるL字カーブ)
2020年頃を境に、正規雇用で働く女性の割合が増加していることがありありと分かります。
コロナを境に物価が上昇したものの、実質賃金が増えない中で、家計の手取りを増やすために「扶養内なんて言ってられん!」と正規雇用で働く女性が増えたのではないかと予想します。
しかし、50代後半の推移をみますと、2020年以後も正規雇用率は上がらず、旧来のままです。
さきほど企業研修で私が感じた違和感と、ピッタリ合致する結果です。
扶養内の働き方はオワコン?
2016年10月に「106万円の壁」ができてから、制度改正のたびに「働き方の壁セミナー」を開催し続けています。
いつもあっという間に満席になってしまうのですが、今年2025年5月に開催したセミナーでは、申し込みにそこまでの勢いはなく、満席とまではなりませんでした。
それまでは30代~40代の女性が主な参加者でしたが、今年の参加者は男性や50代以降の女性が目立ちました。
はて?と疑問に思っていたのですが、今回この企業研修の回答を分析して、理由がはっきりと分かりました。
「若い女性は扶養なんて気にしないで働いている」
そういえば、住宅ローン相談やその他のライフプラン相談でも、30代~40代の正社員で働く女性の割合は圧倒的に多いです。
そういった女性から扶養についての質問は受けたことがありません。
そんなことより、資産運用とか節税とかどうやってモリモリ世帯の手取りを増やしてけばいいのか?というのがメインのご相談です。
扶養内の働き方にこだわるのは、やはり50代以降の女性が多く、男性(ご主人)も細かく金額や条件を質問してくる方が多くいらっしゃいます。
差し迫ってお金が必要ではないので、働く時間を他にあてたいのかもしれませんね。
とはいえみなさん「老後資金が足りるのかとっても心配」と言っていますが・・
コスパ(手取り率)を重視して働き控えをしても、手取りは増えません。
高度成長期やバブル前は、扶養内で働くことが最適解だったかもしれません。
しかし現在では、税金・社会保険の負担率も多くなり、物価が上昇していても賃金や年金が増えない中では、コスパより手取り額が重要になっていると思います。
「働いたら負け」と思っている方もいて・・・昔の考え方は改めましょう。
ライフワークと思っていた「働き方の壁セミナー」も、もうやめようかな、と思っている今日この頃です。


